どきどき

[佐藤悠基&石川実里]

「あ、あの、僕の名前は佐藤悠基です。」

「あっ、私の名前は石川実里、です。」

「よろしくお願いします……。」

「あっ、こちらこそ、よろしくお願いします……。」

『…………………………』

「あっ、あの、聞きたいことがあるんですけど……。」


[石川実里]

はいきましたわかってましたよ聞かれることっ!

どうやって誤魔化そうかな……

ストレートに一目惚れですって言えないし……

これは嘘をつくしかないかな……

嘘つきは泥棒の始まりって言うけど泥棒になりませんように……


[佐藤悠基&石川実里]

「あっ、あの、聞きたいことがあるんですけど……。」

「あっ、はいっ、なんでしょうか……?」

「今から……半年前ですかね……?どうしてずっと僕の隣に……?」

「あっ、それはっ、それはっ、ですねっ?えーっと、うーんっと、えーっと………………そうです!文芸部に!入りたいと思ってまして!私!」

「えっ、半年前から……?言ってくれれば良かったのに……。」

「い、いえっ!私、あんまり人に話しかけられないタイプなので!」

「あ、もしかして僕の……せい……ですかね……?」

「いっ、いえっ!決してそういう訳ではないですよ!?決して!」

「あっ、ならよかったです……?」

「い、いえいえ……。」

『……………………』


[佐藤悠基]

う、うーん……。

これはあれか、詳しいことは聞いちゃいけないやつかな。

なんか困ってる……?

ぽかったけど部活に入ってくれる分には嬉しいし……。

文芸部人数少ないから無くなるって話知ってたのかな?


[石川実里]

えっ、私今なんて言った……?

文芸部に?

入りたいと?

思ってまして……?

やっってしまっった感があるけどっっナイス私!!

これで彼と一緒に居られるね!って何言ってんのわたしぃぃぃぃ!?


[佐藤悠基&石川実里]

「えっと、じゃあ、文芸部、入りますか……?」

「是非っ!!」


[佐藤悠基]

ちっ、ちかいっ!ドキッとした……。

というか顔、ちゃんと見た事なかったかも……。

か、わいい、かも……って何考えてるんだ僕はぁぁぁぁ。


[佐藤悠基&石川実里]

「えっと、じゃあ、えっと、その、あっ、入部届け!入部届け!取ってきますね!」

「あっ、私も!行きます!」

「えっと、とりあえず、これからよろしくお願いします。」

「あっ、こちらこそっ、よろしくお願いしますね!」

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