21.運命の出会い…?(・・・目線)
つい身体が動いてしまった。
どうしようか、変態だとか言われないだろうか?
…………………
初めて彼女を見た時とても強い人だと思った。
王子であるウィルフレッド様相手に容赦も手加減もない本気の戦いをし、圧勝した。
今までに見たこともない構え方に、綺麗な剣筋。圧倒的なまでの強さ。
しかも、なんといっても1度に発動させたたくさんの魔法。
短時間で同時に発動させるだけでもすごいのに、それぞれを計算して配置していた。
まぁ、最後の方は思いつくものをぶつけていたようにも感じたが…
それでも彼女は只者ではないのだろう。
それに、霧でほとんど見えなかったが、たくさんの魔法が1度にウィルフレッド様に向かっていく様は壮観だった。
ふと気が付けば、俺は彼女に釘付けになっていた。
いや、俺だけじゃない。
彼女の試合を見ていた全員が釘付けになっていたと思う。
試合が終わった後も、彼女の試合を見ていたいと思った。
だが、俺には残念ながらやらなければいけない仕事があった。。
だから、後ろ髪を引かれる思いで仕事に向かった。実際、全力で後ろ髪を引かれていたと思う。
そして、しばらく団員たちの試合を見て回っているときに、妖精と話しながら楽しそうに歩いている彼女を発見した。
妖精を連れ立って歩く彼女はまるで一枚の絵画のようであった。
まぁ、妖精が姿を現わすこと自体が珍しいのだが、彼女の事だ。妖精と仲が良くてもさして驚くことはない。
それに、ウィルフレッド様と親しげに話していらっしゃったことを考えると、普通の身分の方ではないのだろう。
叩き上げの騎士が気軽に話して良いような方ではないのかもしれない。俺のような獣人なら特に。
しかし、1度試合を見ただけの彼女にここまで心惹かれ、興味を抱くとは。
叶うならば1度、手合わせ願いたいものだ。
そんなことを考えながら、歩いていたのがいけなかったのだろうか。
突如、いくつかの石槍が目の前をよぎった。
彼女に向って一直線に。
............................................
そして、彼女が歩いていたはずの場所には石槍が刺さり、
俺の腕には彼女がいた。
それも何が起こったのか分からないといった顔で俺を見上げている。
.............................................
これは不敬罪に値するだろうか、いや、確実に不敬罪だな。
しかも、女性に許可なく触れているのだ変態だといわれてもおかしくはない。
まあ、女性というにはまだ少し幼いが、逆に幼女趣味だとか言われてしまうかもしれない。。。
助けるために致し方なくで通じるだろうか。
助けるにしろほかに方法はあったかもしれない。槍を受けるとか。
とりあえず、本当にやらかした。。。
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