幕間「カラミス王女」

 Side バルニアの王女 カラミス


 開戦初期に日本に捕らえられ、カラミスはいわゆるVIP待遇でこの国に捕らわれた。


(どんなに強かろうが、いずれ祖国が助け出してくれる!!)


 最初は強気だった。

 だが日本で生活していくウチに段々とこの国は危険だと思うようになった。


(どうしてこんな国がこの世界に!? 一体何時から!?)


 こんな国が存在していたのなら噂ぐらい耳をする筈だ。


 だが彼達が言うにはこの世界に国ごと転移してきたのだと言う。


(だ、大丈夫よね!? いずれ列強国入りする私達が負けるわけなんて・・・・・・)


 などと現実逃避な考えをして自分のアイデンティティを保とうとする。


 しかし、次々と悲報が舞い込んでくる。


 ディアス王子も捕らわれたらしい。


 そして古代兵器すら動かした国王は死亡。


 メルシアが全面降伏し、日本はそれを受諾。


 休戦条約を結び、終戦に向けて動いているらしい。


 それを知った時、カラミスは絶望した。


 嘘だと思いたかった。


 いわゆる情報操作の類いだと。


 だが映像とやらで国王が乗った古代兵器が落ち、そしてわざわざ日本まで足を運んで尋ねてきたメルシアの口から直接伝えられて納得せざるおえなかった。


 私達が敗北したと。


 ディアス王子も納得したらしい。


(私はどうなるの・・・・・・)


 今迄カラミス王女は好き放題に殺して回ってきた。

 このままでは殺される。

  

 逃げる?


 だがどうやって逃げればいい?


 カラミス王女は自分の運命を天に任せる他なかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る