第16話 Bパート 永遠に共に……
歩き続けると、アリスは最初の切株の場所にでました。
「アリス……」
「メアリー……メアリー……」
「アリス……私はあなたに……私以外も見て欲しかった」
哀しそうに見つめるメアリー。
「何を言っているの? 私はやっぱり、あなたがいないとだめなのよ……メアリー」
「……何を言っても駄目なのね。あなたはどうしたいの? 」
レイニーと同じ質問。
けれど、答えは分かっていました。
アリスの目にはメアリーしか映ってはいないのだから。
「ずっと一緒にいて……メアリー」
虚ろな目でメアリーを見ます。
「あなたが……そう望むのであれば……。愛しているわ、アリス……ずっと……ずっと……」
「私も愛してるわ……メアリー」
◇◆◇◆◇◆
クイーンは哀しみにくれていました。
「やはり……囚われてしまったか」
「はい……皆の言葉は逆にアリスの心を掻き立ててしまったようです」
「……アリスの闇は猫への想いだけになってしまったか。哀しきことよ……」
二人は涙を流したのでした。
◇◆◇◆◇◆
数日後、居なくなった猫と共に……アリスがみつかりました。
「……アリス! ……アリス! 」
庭の大木に寄り掛かる変わり果てたアリス。
しかし、愛する猫の遺骨を優しく抱き締めながら微笑んでいました。
「……メアリー、あなたの想いは通じなかったのね」
二人はいつまでもいつまでも泣き続けたのでした。
~Bパート 終焉~
深淵の国のアリス 姫宮未調 @idumi34
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