第8話 見届ける者の想い

アリスはリアンを振り向きもせず、歩き出します。



「……アリス、あなたはまだ本当は何を求めているかわからないんです。分からないからここに呼ばれた……愛する猫に……」



哀しそうに微笑むリアン。


彼にはどうすることも出来ないのです。



「けれど、あなたは最後には選ばないといけない……」



リアンはクイーンの元に帰ります。


彼もまた、見届けるだけの存在。


心の中では、彼女に救われて欲しいと願っていても……それはどんな形であれば、そうなるのかなど分かるはずもありません。

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