姫姉妹の遊び

有原ハリアー

禁じられし遊び

 雪がちらつき、大気が体を冷やす夜に包まれた、ヴァレンティア城の一室にて。


 自室で本を読む女性――ヴァレンティア王国第一王女、ヴァイスシルト・リリア・ヴァレンティア……通称ヴァイス――は、ノックの音に答えていた。


「どなたかしら?」

「わたくしですわ、お姉様」

「いらっしゃい、シュシュ」

「はい」


 短いやり取りの後に、少女が入ってくる。

 青い髪をツインテールにした、可愛らしい少女――ヴァレンティア王国第二王女、シュヴァルツシュヴェーアト・ローゼ・ヴァレンティア……通称シュシュ――は、頬を赤く染めながら入ってきた。


「シュシュ、熱でもあるのかしら? 顔、赤いわよ?」

「いえ、至って健康ですわお姉様。ただ……」

「ただ……?」


 シュシュはヴァイスの顔をじっと見つめながら、一歩ずつ距離を詰める。


「ねえ、シュシュ……?」

「うふふ……」


 ゆっくりと伸ばしたシュシュの手が、ヴァイスの両頬を捉える。


「お姉様……❤」


 シュシュはゆっくりとヴァイスを引き寄せ、唇を重ねた。


「んっ……❤」

「んんんっ!? んっ、んんっ、んむぅっ❤」


 それだけではない。

 シュシュは更に、舌まで絡め始めたのであった。

 ねっとりと、ヴァイスの口内を這い、全体を舐め回し、唾液を擦り付けていく。


「……ぷはぁっ❤」


 ややあって、ヴァイスとのキスを堪能したシュシュは、ゆっくりと口を離す。

 唾液がねっとりと、糸を引くほどに。


「……シュシュ」


 口の縛めを解かれたヴァイスは、ゆっくりと声を放つ。


「貴女は昔から、私の事が好きだったのね」


 ヴァイスは背中に手を回すと、シュシュのドレスをゆっくりと脱がせ始めた。


「わかっていたわ。だから私は咎めない。

 その代わり、満足させて頂戴……?」

「はい、お姉様!」


 シュシュもまた、ヴァイスのドレスを脱がせ始める。


「あぁっ❤」


 と、シュシュがビクリと、体を震わせた。


「うふふっ、手が滑ってしまいましたわ❤」


 ヴァイスがシュシュの胸の先端を、スッと撫でたのであった。


「お姉様……❤

 容赦がありませんわね❤」


 シュシュもまた、ヴァイスの胸を撫でる。


「んっ……❤

 ふふっ、シュシュったら❤」

「お姉様、今日は存分に甘えさせてくださいませ❤」

「もちろんよ、うふふ❤」


 かくして、二人は二人だけの世界へと没入していった。


     *


有原

「なんて光景を見たら、貴方はどうなさるおつもりですか?」


龍野

「別に?

 相手が男だったらいっぺんぶん殴ってるけどよ、女、しかもシュシュだし……」


有原

「ヴァイスシルト殿下と女性が恋愛をするのは、“セーフ”だと?」


龍野

「そんなもん、かな。

 俺は特に気にしねーし」


有原

「なるほど。

 ありがとうございました」

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姫姉妹の遊び 有原ハリアー @BlackKnight

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