新しい道 13

 一目では女としか見えない化粧を施した。自分でも抱きたいような不思議な気分になる。

「さすがにちーママだな」

「元がいいからよ。玉取ったら?」

と言って運転席からスカートの中の竿を握る。危ない目をしている。

 6時にホテルに着くと案内板を確認して、エレベターで最上階に上る。連絡通りの部屋に入る。

「へえ、こんなに美人になるんだなあ」

と言いながら探偵が監視カメラの位置を紙に書いて説明する。夕食が運ばれたから朝まで誰も来ないと言う。

 薄くドアを開けてカメラの動きを見る。その隙を見て隣のドアを押す。

 待っていたのかカオルが起き上がる。私は思わずキッスして抱きしめる。久しぶりの感触だ。頭の上に薬の袋が置いてある。

「どうなんだ?」

「頭取の愛憎表現なの。もう彼のものは立たないわ。最近はアナルに花瓶を入れるのにも飽きて、生身の腕をすっぽり入れる。そして力任せにかき回す。爪のばい菌が入ったらしいの。ほらこんなにお腹が膨れているの?自分で塗るのは難しいから消毒して塗ってくれる?」

 突き出した尻の穴から薬を塗った腕をゆっくり入れてく。カオルのものが反り立っている。私は傷つけないようにゆっくり腕をよじる。もう片方の手で反り立ったものをゆっくりしごいていく。

「会長を動かしたよ」

「ええ、予定通り」

「総理も電話を入れた」

「頭取は彼に呼ばれて行ったわ。おそらく大きく狂い始めたと思うの。いいいいわ」

 ゆっくりと腕を抜き出すと同時に私の片方の手に暖かい精液が飛び散る。

「こんな治療なら何度でも受けたい。私は逃げ出さない」

「分かっている。段取りをして頭取と話をする。でもやくざの方は?」

「頭取とうまくいってないのよ。債権機構が入って処理を始めている。それに今は会長を柱とする役員会が銀行を指揮している。頭取は蚊帳の外だわ」

 私は2時間が立つ前に探偵から預かった携帯を置いて外に出る。








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