新しい道 12
今日も生存確認の電話をサエに入れる。部屋には電話がないので食堂でする。それから若頭の携帯に電話を入れる。
「すいません。今東京にいるのですが?」
「頭取に会うのか?」
「はい。ママが監禁されているので。あの組は分かりますか?」
「どうもあの殺されたサングラスの男は分家の横浜の組だ。その組長が指揮を執っているということだ。仲間内の話じゃ伊藤と組んでかなり金を引っ張っていたが、今は焦げ付いて100億ほどを抱えている。頭取と組んでその金を踏み倒す予定だ」
「武闘派なのですか?」
「いや、私と同じ経済やくざだ。得にならないことはしない。彼とは話ができる。必要になったら力を貸す」
電話が切れると、すぐに探偵の携帯に入れる。
「昨夜別荘からママが運び出された。朝一番病院に寄って新しい隠れ家に移った」
「どうして病院に?」
「医者にも会って聞いたが、大腸に傷が出来ていて腫れているということだ。移したのは失踪届が出たからだそうだ」
マネージャーが予定通り出したようだ。
「どこに移されたか分かるか?」
「今そのホテルにいる。デルヘル専門のホテルだ。彼女は動けないからそれほど警備は厳しくない。逃がすのは難しいが会うことはできる。女装で来れるか段取りはしておく」
さっそくその話をマネージャーにしたら、あのちーママが衣装を揃えてやってきた。彼女は私を全裸にして化粧を施して女装させて車に乗せる。どうも彼女が今東京の店を見ているようだ。
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