第11話 おっパブ
11.おっぱいパブ
自分の仕事は、まずはボーイの基本的な仕事から始めることになった。
店内の清掃やアイス交換、灰皿、ドリンクなど、客とキャストが使うものをすべて素早く用意するのが仕事になる。
お店の広さは前やっていたキャバクラの半分ぐらいで、キャパはせまく、キャストも10名以下だった。
自分の中では忙しくなって店が満席になっても一人で回せるぐらいかなと思っていたが、ただ一つキャバクラと大きく違うのが席がすべて1列になっていた。
面接のときに、うちはおっパブだからと店長が行っていたが、その時自分はおっパブの意味がまったく分かっていなかった。
パブと聞いていたのでスナックとかそんな感じだろうと考えていた。
スナックはかなり昔に親父について行ったことがあったので、だいたいわかっていたので、まぁ問題ないだろうとタカをくくっていた。
そして、オープンして何人かの客が入り始めたらいきなり照明が暗くなり、音楽が爆音になった。
音が大きくなったら店内には入らないでと店長から言われていたので、すぐにキャッシャーにもどった。
なんだ?なんだ?と軽く驚いてると、店長がマイクパフォーマンスを始めた。
「いっらしゃいませ!いらっしゃいませ!今日もおっぱいハッスルハッスル!」
もうこの時点で自分は完全にパニックで何をやっているんだと思っていたら、店内のキャストが上半身の服を脱いでおっぱい丸見え状態で、客の上に乗っかってる。
「うわーなんだこれーすげー!」
カーテンの隙間からこっそり心の声が自分の口から出るほどすごい光景だった。
全員の客がキャストのおっぱいに吸い付いている光景はここでしか見れない。
まさに性が乱れまくってる店内に自分は思った。
「タダで女の子のおっぱい見れるなんてなんてラッキーな店なんだ!」
それから自分の目標が決まった。
全キャストのおっぱいを見ようと決心した。
それから目標を達成するにはまずは店内に客を入れまくらないと見れないと考え、店長にキャッチが得意だからバンバン外に出してくださいと頼んだ。
それからおっぱい見たさにキャッチを必死に頑張り、ガンガンキャッチで客を入れまくった。
キャッチを入れまくって店内がキャストマイナスになるぎりぎりになると店内に戻り、爆音のダンスタイムを客と同じように自分も目の保養として楽しんだ。
だが、そんな楽しみは2週間で終わってしまう。
おっパブの仕事のやりがいがおっぱいが見たいという欲望だったために、必死にやりすぎた結果、店長からかなり仕事ができる人材と判断され、違う大型キャバクラ店舗に移動させられることになってしまう。
店長には、ここで働きたいです!とは、一応言ったが、君はここではなくもっと力が発揮できる店舗に移ったほうがいいと言われ、泣く泣く違う店舗に移動した。
これで、夢の店とはおさらばになってしまう。
移動先の店について、すぐに店長の話をした。
おっパブの店長からすごい期待できる新人だと話を聞いている期待してるよ!と言われた。
おっぱいのために頑張っていましたとは、流石に言えなかった。
その店は、店舗の広さもキャスト数もかなり大きく、テーブル席も20席ほどで、常時キャストが20名ほどいる大型店舗だった。
あとあと知ったが、静岡ではトップクラスとお店だった。
そのトップクラスの店長はまさにクールな人で、仕事がスピーディーで一切無駄がなく、頭の回転も早く、なんでもこなせるパーフェクトに近い店長だった。
この人すごい人だなと今まであったどんな人よりも尊敬できる上司だったので、その人から色んなことを学んで盗んでやろうと思い、仕事を励むことにした。
特に驚いたがのが、付け回しの速さで、大きな店舗のキャストをすべて把握している上に時間も正確で、一人で付け回しを行なっていた。
前のキャバクラの店長とは違い、場内指名が入ろうがシャンパンが入ろうが、いちいち驚かない。
それが当たり前のような動きにクールさが滲み出ていた。
これは相当場数を踏まないとこんな仕事はできないなと確信した。
そんな店長に一度とんでもないことをやらかしてしまった。
キャッチで三人歩いてるちょっと怖そうな人に話しかけてみると、俺たちに声をかけるといい度胸だな兄ちゃんと言われ、引き下がろうと思った。
ただ、その時は店内が相当暇だったので、粘ることにした。
「どこの誰とは知りませんが、どんな男でも満足ができる女の子がいっぱいいるのがうちのお店ですよ!」
といったら、そこまでいうならいってやるよとその三人組は来店した。
だが、その3人組はいわゆるヤーさんで、最初は楽しんでいたが、帰るときにいちゃもんをつけ始めた。
全然楽しくなかっただの、女の子の着く時間が短いだの30版延長をタダにしろと無茶苦茶な要望をしてきた。
そこに店長が現れて、お代は結構なのでお帰りくださいといってその3人組をあっさり帰らせた。
すぐに店長に謝りに行った。
店長は問題ないといつものようなクールな顔だった。
店長が笑う時は、お客が楽しかったよまた来るよと言った時のありがとうございしたと言ってる時ぐらいしか見たことがない。
どんな問題にも心の器が大きい人ならこういう顔が何が起きてもできるんだろうなとその時感じた。
それから、2ヶ月ほど仕事していると、外のキャッチで、違う店舗のキャッチと色んな話をしたりするようになり、仲良くなった。
その一人が俺は東京に行くつもりなんだ!と話をしていて、東京か憧れの街だなと共感して、ついていくことした。
店長には、正直に辞める理由をはっきり東京で夜の街で働きに行ってみたいの辞めますと告げると、荒波に揉まれこいと背中を押してくれた。
それから、仕事を辞めて二人で東京を目指した。
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