第23話 宇宙戦争
ここは渋谷のスクランブル交差点のツタヤ。
「最近、変なポスターが増えたな?」
アルバイトをしている谷子は店内のポスターを見る。自分のほんのおねえさん、その横に銀河系最強の魔法使いからの魔法少女エルメス、その横に新しいポスターが貼ってあった。
「ミリタリー系最強の魔法使いからの魔法少女ルイヴィトン!? 何じゃこりゃ!?」
エルメスが星や月などの銀河を司るなら、ルイヴィトンは軍隊の兵器を司ることになる。もちろん核兵器だけでなく、イメージしやすくというと例えは宇宙戦艦ヤマトや機動戦士ガンダムもである。昔、車の名前を使った作品があったが、会社に許可を取ったとは聞いたことが無い、知らないので、名前も問題ないだろう。
「あれ? 谷子ちゃん、魔法少女ルイヴィトンを知らないの?」
そこに店長が現れた。
「知りません。」
「じゃあ、DVDでも見る。魔法少女エルメス銀河軍 VS 魔法少女ルイヴィトン宇宙艦隊。おもしろいよ。」
いつの間に撮影したんだ!? と思いつつも谷子は店長が再生するDVDを仕事をサボって見る。
ここは宇宙。
「なに!? この平和な宇宙に異星人が侵略してくるだと!?」
エルメスが異星人の宇宙侵略に気づいた。
「私の銀河にケンカを売るとはいい度胸ね! ギッタギタのバッコバコにしてあげるわ! 二度と宇宙征服なんて考えないようにね!」
エルメスは銀河の守り人として、この輝く銀河を守り抜く責任があった。
「宇宙防衛隊プラネットに兄弟に連絡をっと。」
エルメスは未確認異星人のアンノウンから銀河の平和を守るために、宇宙の防衛隊プラネット兄弟にサインを送る。そのサインも星の輝きなのできれいな流れ星であった。
「宇宙の危機だ!?」
火星のマーズ。
「エルメス様からの銀河SOSサインだ!?」
水星のマーキュリー。
「みんな! 集合!」
木星のジュピター。
「場所は、地球だ!」
金星のヴィーナス。
「地球人は地球にだけ住んでいればいいものを!」
土星のサターン。
「宇宙の平和は私たちが守る!」
冥王星のプルート。
「せっかくの長期休暇だったのに!?」
天王星のウラノス。
「正義のヒーローに休みはないのよ!」
海王星のネプチューン。
「8人揃って、宇宙防衛隊プラネット!」
決めポーズも決まった所で、地球が見える所に勢揃いしたプラネット8人兄弟。
ここは地球。
「我ながらミリタリー系最強の魔法使いからの魔法少女とは良い所をチョイスしたわ! これで地球の平和も破壊も私の気分次第! 私が兵器のボタンを押さなければ地球は水と緑の美しい世界に戻れるはず! なら我が軍を進める方向は一つ。誰も手つかずの宇宙よ!」
魔法少女ルイヴィトンは純粋なので、地球から戦いが無くなることを祈った。そして人々の悪意と欲望を地球から遠ざけるために宇宙進出を選択したのだった。
「幸いなことに、軍隊系最強の魔法使いからの魔法少女を選択したら、宇宙戦艦と人型ロボットまで手に入ってしまったという、素晴らしい私の強運。」
魔法少女ルイヴィトンは軍事物資だけでなく、SF系の宇宙戦艦やロボットまで司る権限を手に入れた。
こうして銀河の守り人のエルメスと宇宙進出を計るルイヴィトンの終わることが無い戦いが始まった。
「でやあ! 必殺! 土星落とし!」
宇宙防衛隊プラネットの体当たり攻撃。
「撃て! 対艦隊戦ミサイル発射!」
宇宙戦艦群からのミサイルの一斉発射。
「なかなかやるわね!? 地球の宇宙艦隊!?」
エルメスは地球の機械文明の発達に恐怖した。
「認めてあげるわ。私の永遠のライバルだと!」
ルイヴィトンも銀河の神秘を肌身に感じ、その実力を認めなければならなかった。
「結構です。」
この宇宙戦争も「永遠のライバル」というルイヴィトンの一言から始まっている。いつも戦争の始まりなど、つまらない理由である。偉い人にとっては、他人の命などゲームでしかない。
つづく。
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