第5話 終わっちゃうの?
ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。
「エルメス様、じゃんけん大会が終わっちゃいましたね。」
「もしかして、私たちのお話は終わっちゃうんですか?」
ケーリーとバーキンが心配している。
「なんで終わるのよ? ゲームを変えるだけで続けることが出来るのに? こんなにおいしいストーリー展開はないのよ! あと日常もゲームにできるわ!」
二手三手先を考えている魔法少女。
「さすがエルメス様! 抜かりがありませんね。」
「世界じゃんけん大会の結果が出ました。今回のじゃんけんゲームで、エロメス様が獲得したファンは・・・35億!?」
エルメスは、たった一回のゲームで世界の半分を手に入れた。
「やったー! 世界の半分ね! 悪くない! ワッハッハー!」
「エルメス様の忠告を無視して、じゃんけんをしなかった愚か者が多かったんですかね?」
「よし! 祝勝会よ! 今日は飲むわよ! お酒をジャンジャン持ってきて!」
渋井栞は16才の未成年の高校生である。未成年のアルコールの飲酒は禁じられています。
「え~、35臆ですが。」
「え?」
「スマホアプリを持っていない後進国のじゃんけんゲームを知らなかった人間が25億。先進国でも同じ理由の人間が9億。差し引くと世界全体でエルメス様の獲得したファンは1億人です。」
35臆人のファンが1臆人になってしまった。
「はああああー!? ふざけんな! 魔法の力で降臨祭を勝手にやるぞ!?」
エルメスは魔法を使わずに口から火を吐く。
「落ち着いてください!? エルメス様!?」
「1臆でも立派な者ですよ!?」
「そうね。最初だし、良しとしよう。うんうん。ニタッ。」
エルメスは単純な性格だった。一回のゲームで1億人のファンを獲得できたことに素直に喜んだ。しかしにやけて不気味に笑う。
「よし! じゃんけんの次は鬼ごっこにしよう! と思ったけど、もうすぐクリスマス! 今度のゲームは、クリスマスゲーム! 時を飛び超える勇気を見せてもらおうじゃない!」
エルメスの機嫌が良かったのは、次のゲームのアイデアが思い浮かんだからであった。
「それでエルメス様の機嫌が良かったのか。」
「でもクリスマスを、いったいどんなゲームにするつもりでしょうね?」
ケーリーとバーキンは不安しかなかった。
「それはクリスマスのお楽しみ。エヘヘッ。」
エルメスは、クリスマスゲームの内容も思いついている様だった。
「やるわよ! 雪の降る渋谷! 雪で渋谷を真っ白にするんだから! エル・エル・エルメス!」
エルメスは2020年に降臨祭を開催するために必死だった。
つづく。
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