群青のグン

道端道草

第1話 群青のグン

大きく溜め息を吐き、私は川辺に座り込んだ。

目の前には大きな川が流れており、辺りには色んな花が咲いている。

川辺では犬の散歩をしている人や、ランニングをしてる人、近所の子供たちがサッカーをしたりしていつも賑わっていた。


そんな賑わいとは裏腹に私の気持ちは酷く落ち込んでいる。

私の名前は「前田葉月」近所の高校に通い、憧れの先輩に恋するごく普通の高校生。


私は昔からこの川辺に座って、ぼーっと外の景色を眺めるのが好きだった。

嫌な事があった日もここはいつも私を癒してくれる。

そんな場所だ。


だけど今日だけはここにいても、ちっとも心が晴れそうもない。

この前行ったテストの答案が返ってきては、人生初めての0点を取り、憧れへの先輩に告白するもその恋は実らず、挙げ句の果てに帰り道でド派手に転んでしまう始末。

今日一日だけで、一生分の不幸を味わったかのような気分だ。


ワイワイ騒ぐ子供達を見ながら、私はあんなに無邪気に楽しめる事が羨ましいとも思った。


「私だけなんでこんな人生なんだろ」


私の落ち込んだ気持ちを晴らすどころか、空からはポツポツと雨が降り出す。


「人の気も知らないで、少しは励ましなさいよ!」


私はそう空に怒鳴る。


「自分みたいな奴嫌いなんや」


どこからか声が聞こえた。

私は辺りを見渡すが、雨が降り出して既に誰もいない。

キョロキョロ見渡す私に、その声はもう1度声を発した。


「どこ見てんの? 上や、上」


「は? 上ってなに? 空?」


「自分何も知らずにワシに話掛けたん?」


雨雲が掛かる空には何も見えないが、声は確かに聞こえる。

私は雨に打たれながら、必死に声の主を探した。


「あんた誰? なんで喋れるの?」


「なんで喋れるって、逆に聞くけどなんで喋れないって決めつけてるん?」


何も無い所から声が聞こえるのは不思議だった。

空から聞こえる声の主は、続けて私に喋り掛けた。


「自分らが勝手に空とは会話出来ないって思い込んでるだけや」


「じゃあなに? あんたは空から私に話し掛けてきてるの?」


「そや。ワシはこの辺の空を担当してるグンってもんや」


声の主はグンという空。

この辺の空を担当しているらしく、人間とも普通に会話が出来る。

信じがたい話ではあるが、私が今会話しているのが何よりの証拠だろう。


「で? 自分ワシになんか文句でもあんの?」


グンの声は少し怒気が帯びており、私の言葉が気に喰わない様子だった。


「私が落ち込んでるのに、なんで雨降らすの?」


「なんでワシが自分の為に晴れにせないかんの?」


「落ち込んでる人がいるんだから励ましなさいよ!」


私は自分の嫌な出来事をグンに八つ当たりするかのように言う。

グンは一つ溜め息を吐くと、語り始めた。


「ワシはな、自分が好きな奴の為にしか働かへんのや。でも自分は嫌いや。そんな辛気臭い顔でおられたらたまらんわ」


「だから雨降らせたって言うの?」


「せや。なんか文句あるか?」


グンは悪びれる様子もなく、私に言う。


「ワシはめっちゃ頑張ってる奴が好きやから、そいつがプロポーズする時には満点の星空をプレゼントしたし、普段泣かんごっつい兄貴が友人失くした時には、兄貴の涙を流し為に雨も降らす」


「じゃあ、なんで私の為に青空にしてくれないの?」


「だから言うてるやん。自分の事嫌いなんや」


なんで初めて話した得体の知らない奴から嫌われてるのか。

私は疑問でしかなかった。


「私あんたに嫌われるようなことした?」


「ワシ悲劇のヒロインぶってる奴嫌いやねん」


「私の事なんだから、あんたに関係ないじゃん!」


「ワシが雨降らしたのも自分に関係ないやん」


ああ言えばこう言うグン。

こいつと話していてもイライラしてくるだけだ。

私は置いていた鞄を拾い、家に帰ろうとする。


「お。やっと帰るんやな」


グンの声を無視して小走りで走りながら帰るが、グンの声はずっと聞こえてくる。


「自分の悩みなんてしょーもないで。世の中には沢山悩みもった奴がおんねん」


そんなの知ってる。

自分でも私の悩みが世の中の人からしたら小さい事なんて理解も出来ていた。


「その中でも自分の悩みときたら米粒や」


ケタケタと笑いながら喋り続けるグン。


「もう! うるさい!」


私はグンに向かって思いっきり叫んだ。

グンは反省したのか、それからしばらく話し掛けてこなくなった。

段々と雨が止み、雲の隙間から光が漏れる。


「自分、何に悩んでるん?」


この雨もグンが自分の意思で止めたのだろうか?

少し疑問に思ったが、今はグンに対する怒りの方が大きかった。


「あんたに関係ない!」


怒りが収まらない私は、グンの質問に応えなかった。


「自分の悩みて、テストで0点取ったとか先輩から振られたとかやろ?」


「あんた何で知ってるのよ」


「ワシは空やで。ここら辺の事は何でも知ってる」


黙っている私にグンは訊ねる。


「自分、全力で頑張ったか? やれることやって、毎日頑張ったか?」


「私だって自分なりに努力してるつもりだもん!」


「世の中にはな、頑張ってもどうしようもない事もあるんや。でも自分の悩みってちゃうやろ? 頑張れば叶うやん。勉強すれば点数上がるやん。先輩にアプローチすれば結果違ったかも知れんやん」


グンの言葉に私は何も言い返せなかった。

実際、自分の中ではしているつもりでも、大したことはやってなかったからだ。

勉強も気が向いた時にする程度。

先輩とは一度も話した事も無かった。


「分かってるよそんなこと……」


「自分、明日また川辺にきてみ?」


「どうして?」


「ええから」


そう言うとグンは喋らなくなった。


次の日。

私はグンの言葉通り、学校が終わってからいつもの川辺に向かう。

 

川辺に着くとすぐにグンの方から話し掛けてきた。


「おー。約束通りきたな」


「きたよ。で? なんにがあるの?」


私はいつもの指定席に腰を降ろし、周りの人に聞こえないように訊く。

グンの声はどうやら私にしか聞こえていない。

グンと会話している風景は、周りから見たら私が独り言を喋っているように見えるだろう。


「あそこの男の子おるやろ?」


「うん。花摘んでる子でしょ?」


グンが言った男の子は、川辺に咲いた花を摘んでいる。

背丈は幼稚園ぐらいだろうか?

周りには親らしい姿も見えないし、男の子は一人でこの川辺に来ているようだ。


「せや。あの子なここ最近毎日花摘んで帰んねん」


「ふーん。そうなんだ」


私が興味無さそうにしてるので、グンは「ほんとしょーもない女やなぁ」と愚痴っている。


「なんであの子毎日花摘んでるか分かるか?」


「知らないよそんなこと。今日初めて会ったんだから」


「なら訊いてみ?」


なんで私がこんな事を。

そう思いながらも、少し理由が気になっている自分もいた。

私はその男の子に近付き「こんにちは」と挨拶をする。

男の子はキョトンとした顔でこちらを眺めるだけで、特に言葉は発しなかった。


「なにしてるの?」


「おかあさんにお花もってくの」


なんだ。

ただの母親を喜ばせてあげたい健気な男の子か。


「そうなんだ。お母さん喜んでくれるといいね」


「このお花でね、おかあさんの病気がなおるんだ」


病気? お花で治る?

私は男の子に訊ねた。


「お母さんはどこにいるの?」


「病院だよ」


「どこか悪いの?」


「うん。でもこのお花をもっていけばぜったいなおるだ。本にかいてあった」


「お姉ちゃんも手伝っていいかな?」


「うん!」


男の子は蒼汰くんと言い、近所に住む男の子。

お母さんは病気で現在は病院で入院中らしい。

入院中のお母さんの為に、毎日病院に花を届ける蒼汰くんを見て私は少し可哀そうに見えた。

花を摘み終わった蒼汰くんは、今日もお母さんのいる病院へ花を届けに行くのだ。


私に大きく手を振りながら病院へ急ぐ蒼汰くん。

蒼汰くんがいなくなった後、ようやくグンが話しかけてきた。


「どうやった?」


「どうやったって、なんか大変そうな家庭だなって思った」


私は手に付いた土を払いながら、素直に感じた事を伝えた。


「あの子な。絵本に描いてあったこと信じてんねん」


「絵本?」


「そや。病気の母親の元に三十日間休まず花を届けたら病気が治るっちゅうやつや」


「でもそれ絵本のお話でしょ?」


「絵本のお話でもあの子はそれを本気で信じとる。それで毎日、毎日花を摘んでは届けてるんや」


グンは少し寂しそうに語った。


「あんな小さな子でも、自分の出来る事を一生懸命頑張ってるってことや」


「うん。それでお母さんの病気はどうなの?」


「正直、花届けたくらいじゃ治るもんやないな」


「それって死んじゃうってこと?」


私はグンの言葉に少し動揺していた。


「ワシは未来が見える訳やないからそこまでは分からん。でもな頑張ってるあの子の為に、花を摘んでる時は必ず晴れにすんねん。それがワシに出来る唯一のお手伝いやからな」


私はグンの事を少し勘違いしていたのかもしれない。

グンはクヨクヨしてる奴が嫌いで、反対に頑張って生きている人が大好きだ。

私がグンに嫌われていたのも納得がいく。


毎日何に頑張る訳でもなく、嫌な事があったらすぐに落ち込む。

嫌な事があると誰かにせいにして、すぐに投げ出しては新しい物に興味を持つ。

また嫌な事があると次の物に手を出すといった具合だ。

こんな私の事をグンはよく思っていなかったのかもしれない。


それから私は毎日蒼汰くんと一緒に花を摘む事にした。

別に蒼汰くんにお願いされた訳でも、グンから言われた訳でもない。

今までの私なら自分が不幸の時に、誰かの為に何かをやるなんて事はあり得ない。


ちょっと前なら手に土が着いただけでやめていただろうし、虫が多い中で汗を掻きながら花を摘むなんて事もしなかっただろう。

蒼汰くんも少しづつ私に慣れてきたのか、お母さんの花とは別に私に花をプレゼントしてくれたりもした。

父親以外の男性からプレゼントをもらうのは、これが初めてなのは黙っておこう。


私達は二十八日目の花を摘み終えるとそこでお別れをした。


「あのさ……」


「なんや?」


蒼汰くんをいつもの様に見送った後、私はグンに訊ねた。


「三十日目が来て、もしも病気が治んなかったら蒼汰くん悲しむかな?」


「どうやろうな。でもあの子は強い子やで。それでも花を毎日摘むんちゃうか?」


私は約束の三十日目を迎えるのが少しだけ怖かった。

蒼汰くんの期待を一瞬で壊してしまう気がするからだ。


今日の花を摘んでいる最中に、もうすぐお母さんの病気が治る。

そう笑顔で語る蒼汰くんを思い出すと胸が痛い。


「そうかな。強いっていってもまだ子供だよ?」


「子供も大人も関係あらへん。誰かの為に頑張れる。ここに意味があるんやで」


私はグンの言葉も理解できるが、子供の蒼汰くんに現実を突きつけるのは少し酷に感じる。

何も出来ない自分の無力さがなによりも辛かった。


「明日もくるかな?」


「そりゃ来るやろ」


家に帰るとお母さんが料理をする音と、テレビから声がする。

私は普段天気予報には耳を傾けないが、思わぬ言葉にすぐにテレビに視線を向けた。


明日の予報は台風。

二十九日目してまさかの事態だ。

どれだけ真剣に花を摘んでも、蒼汰くんはまだ子供。

さすがに台風の日にまで外を出歩く事はしないだろうと私は思っていた。


次の日。

天気予報通り、外は強風と豪雨に襲われている。

こんな天気ではさすがに学校も休みとなった。


後二日間、花を届ければ蒼汰くんの願いは叶っただろうけど、無駄に期待させない為には良かったのかもしれない。

私は不覚にもこんな事を考えてしまった。


そして、いつも蒼汰くんが花を摘む時間が近付いてくる。

あの子ならもしかしたら花を摘みに来るのではないか?

そんな疑問を抱えながら、私は窓の外を眺めていた。


「なんでよりによって今日台風が来るかなぁ。神様も残酷だな」


そう呟きながら私はある事んい気が付いた。

そもそも天気を操っているのはグンではないか。

グンは蒼汰くんに三十日目を迎えさせない為に、わざと台風を起こしたのか?


居ても立っても居られなくなった私はこの台風の中、グンに一言文句を言ってやろうと思い、カッパを着て家を飛び出した。

もしかすると蒼汰くんがいるかもしれない。

念の為にタオルを鞄にいれ、強風とは逆向きに走る。


思うように前に進まない。

雨は横殴りで私を容赦なく打ち付ける。


ようやく川辺に辿り着いた私は、ある光景を目にする。

この台風の中、必死に花を摘もうとしている蒼汰くんの姿だ。


川は水が溢れかえり、子供一人で外を出歩くには危険過ぎる。


「蒼汰くん! なにやってるの? 危ないから早くお家に帰るよ!」


蒼汰くんの腕を掴み、引き上げようとするが蒼汰くんは私の手を振り払う。


「いやだ! おかあさんにお花とどける!」


ビショビショになりながら、花を摘もうとする蒼汰くんだが、目の前には濁流が流れ、足でも滑らせたら川に流されてしまう。

私は無理にでも蒼汰くんを安全な場所まで連れていく。


「こんな台風の中外に出たらダメでしょ!」


私は息を切らしながら言った。


そう涙ぐむ蒼汰くんを見ると、どれだけ蒼汰くんが真剣にお花を摘んでいたか分かる。

鞄の中からタオルを取り出し、震える蒼汰くんの頭や体を拭く。


「自分ら何してんねん!」


聞きなれた声がどこからか聞こえる。


「グン! 何も台風にする事ないでしょ!」


「なにがや! ワシが台風起こしてると思ってんのか?」


「違うの?」


「ちゃうわ! こいつらはただ気のままに暴れる奴らや! ワシと一緒にすんなや!」


グンは少し怒り口調で私に言うが、どこか焦っているようにも聞こえた。


「とにかくはよ家に帰れ!」


「花を届けるまで帰れない! グンは空でしょ? さっさとなんとかしてよ!」


隣にいる蒼汰くんは空に向かって怒鳴る私を見てキョトンとしてる。

私はそんな蒼汰くんを抱きしめ「大丈夫だよ」と囁く。


「さっきからやっとるわ! でも今回のちょっとデカ過ぎるわ」


グンは台風を戦っているのか、声に余裕もなく力が入っていた。

私は蒼汰くんを抱きながら、外の風景を眺める事しか出来ない。


ブォォォォ。

強い風が右に左にと吹き荒れる。

それに合わせて雨も左右に暴れ、まるでグンと台風が戦っているかのようだった。


「アカン。こりゃダメや……」


グンの力無い声が聞こえる。


「いつもいつも私に頑張ってないって言ってるあんたが、ここで頑張れなくてどうするの!」


「自分こいつの強さ分からんやろ」


「そんなの知らないよ! じゃあグンは全力で頑張った? 全部を出し切った? それが出来てないのにへこたれんな!」


私は戦意喪失したグンに渇を入れる。


「自分ほんと変わったなぁ。ワシも頑張らないかんな」


グンがそう言うと、少しだけ雨風が弱まった。


「ワシが少しの間、こいつの進路を変える。その間にはよ病院行け!」


「やればできるじゃん!」


私は蒼汰くんの手を引き、花を摘むとすぐに病院へと向かう。

病院に着くと、周りの看護婦の方が驚いた表情をしていた。

それはそうだろう。

こんな天気の中、花を届ける為にビショビショになりながらやってくる人なんていない。


ましてや私の隣に立っているのは幼稚園ほどの子供。

みんなが蒼汰くんを心配し、その後の面倒を全て見てくれた。

これで蒼汰くんは無事に二十九日目の花を届ける事ができたのだ。


帰りの車の中、私は一人の看護婦さんに送ってもらっていた。

その帰り道、私は明日蒼汰くんのお母さんの手術がある事、そしてその手術はかなり厳しいものだという事知った。

不安を抱えたまま迎えた当日。


いつものように蒼汰くんがやってきた。


「お姉ちゃん! 今日でおかあさんの病気なおるんだよ!」


いつもより明るく花を摘む蒼汰くんを見ていると、私は心臓を鷲掴みにされている気分だった。


「お母さん絶対よくなるからね!」


私は根拠のない言葉を言うのが、これ程にも辛いことだと初めて知る。

三十日目の花を摘み終え、私は一緒に病院まで向かった。

病院に着くと、お母さんの手術を既に終わっていて、無事に成功したとの知らせが入る。

蒼汰くんは「やっぱりおかあさんよくなった」と嬉しそうに病院を走り回っていた。


私は病院で蒼汰くんと別れ、いつもの川辺でふと空を見上げる。


「グン。蒼汰くんのお母さんよくなったよ」


「そうか。そりゃよかったわ」


「昨日はありがとね」


「あんぐらい訳ないで」


「諦めようとしてたくせに」


花のお陰かそれは分からないけど、人の為に最後まで頑張ったのは初めてだった私。

学校での悩みがくだらなく、どれだけ小さい事だったのかと今は笑える。


「自分、ええ顔するようになったで」


「え? なに聞こえない」


グンの声は聞き取りづらく、すごく遠くにいるように感じる。


「ええ顔になった! ワシとはもうサヨナラや!」


遠くから叫ぶかのようにグンは言った。


「なんでいきなりサヨナラなの? グンはこの辺の空なんでしょ? ならまた話せるじゃん」


「ワシの声はな、頑張ってる人間には聞こえへんのや。せやから、もうじき自分にも聞こえんようになる。でもこれはええ事なんやで」


私は突然の事に言葉が詰まる。


「ここ最近の自分はめっちゃええ感じや。生きる事に頑張っとる。せやからワシとはお別れや。今の自分なら大丈夫やで。自信持ち」


何もかも上手くいかずただ嘆くだけの私が、ここまで一つの事に頑張る事が出来たのは紛れもなくグンのお陰だ。

毎日蒼汰くんと花を摘む。

周りから見たら小さな事かもしれないが、いつもすぐに投げ出していた私にとっては大きな一歩だった。

嫌いな事、面倒くさい事、恥ずかしい事。

そういったモノからいつも逃げ出していたから。


「グン……。ありがとう」


「礼なんていらん。自分が頑張ったから一歩踏み出せただけや」


「うん。これからも見てて。私もっと頑張るから!」


「せやな。ワシいつもここにおる。いつまでも見とるで。頑張り」


グンの声は消えるように聞こえなくなり、私とグンの会話はこれが最後となった。

涙を拭い、上を向く私の前には虹が。


群青の空に掛かる虹は、私とグンをいつまでも繋いでくれているような気がした。


                    完

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群青のグン 道端道草 @miyanmiyan

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