泣けないのかもしれない

 もう二度と

 泣けないのかもしれない

 眼からなにかが流れることは

 きっとあるのだろうけれど

 それに伴うこころは

 どこに行ってしまったのだろう

 泣くことになるような事態をおそれるべきなのに

 泣いてもいいような哀しい時刻に

 涙も痛みも魂もとっくになくなっていることに気づくという

 そのことがおそろしい

 だから人より先に死にたいのか

 感情が一滴も残らず消え失せる前に

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