夜の感性

 夜の感性

 それに忠実でありたい

 暗ければ暗いほど見えるものがある

 記憶の他人が影に溶けて

 ぼやけた境界が倫理を侵犯する

 四囲の壁面が神のはだえ

 それは温度を持たない抑圧

 われわれの蹉跌さてつ

 鎖に縛られた思考の由来

 見える窓よりも見えない窓が

 最後に残された風抜きとして

 たしかな信頼に値するだろう

 夜明けを待たない眠りの前に

 触れられなかった沈黙に祈る

 静かに死んでいく人々のために

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