わたしはこんな道を通りたくない

 なにかについての発言がある

 その発言についての発言がずらずら並ぶ

 妥当なものからひどいものまで

 そして言葉は

 意味を失う

 だれにも届かなくなる

 手紙だったはずの言葉が

 路上に落ちた濡れ雑巾のような言葉に

 そうして道が埋めつくされて

 だれも拾わない

 顔をしかめて

 器用に跨ぐだけ

 いつからこんな風なのだろう

 わたしはこんな道を通りたくない

 大切な手紙を跨ぎたくはない

 踏みにじりたくもない

 わたしはこんな道を通りたくない

 こんな言葉を見たくはない

 こんな未来を進みたくはない

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