声を記憶している

 声を記憶している

 忘れられない声

 でもこの声は

 もう偽物なのか

 イメージにすぎないのか

 あの時あの場所で発せられた声からは

 似ても似つかない声に成り果てたのか

 わからない

 比較しようがない

 その声はもう過ぎ去って

 その声を耳に聞くことはない

 その声はずっと

 こころに響いて震えるだけ

 きっと死ぬまで忘れない声

 声

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