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目次
わたしは手軽に詩を書こうとする
いま世間を騒がせているトピックに
なにかを言ってみようとする
安全圏に踏みとどまりながら
それなりの知性を示すような
それでいてなんらかの情緒が漂えば
儲けものというような
打算に満ちた詩を書こうとする
わたしはとつぜん虚しくなる
なにかを言ってみるのをやめることにする
わたしは手軽に詩を書くし
軽薄に言葉を投げ棄てるが
自分の無意味さに則った言葉しか
つむぎたくないという倫理はあった
世間の無意味さに紐付けられた言葉しか
いまは吐けそうになかったので
わたしは言うのをやめることにした
わたしは手軽に詩を書こうとして
その手軽さを握りつぶし
わたしはうつけて沈黙した
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