読み終わらない本

 永遠に食べ飽きずなくならないお菓子を

 夢みる夢想家の子どものように

 永遠に読み飽きず読み終わらない本を

 ずっと探しつづけている

 それは記憶のことだった

 過去と出会い直すために

 本が必要とされるのだろう

 その試みに終わりはない

 有限のページに無限が宿るには

 運命との重なりが必要とされる

 扉を胚胎した言葉の担い手

 本はいつも気配を伝える

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