わたしの退屈

 現実に追いつかれる前に

 わたしは退屈をかたちにしなければならない

 人と関わりたがらないわたしの

 冷たい退屈に血を通わせなければならない

 現実に追いつかれる前に

 わたしが守りつづけてきた退屈を

 腐蝕した影とは違うやり方で生かさなければならない

 窓から世界を覗くだけの種族が

 渇いた眼で同類の夢を待っている

 わたしは窓の向こうの同類に

 親しげな目配せの代わりのように

 わたしの退屈を手紙として投げつける

 ひびの入った天蓋が落ちてきて

 わたしたちの時間が粉々に砕け散ってしまう前に

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