忘れるという痛み

 忘れるという痛み

 あなたも経験しただろう

 忘れることにいつも傷ついている

 生まれる前の罪のように痛い

 日没前後の空のように痛い

 忘れたことのない人間はいない

 痛みを感じない人間はいない

 夜明けの空のようにはなれない人間

 痛みに含まれる死者の残魂

 その淡さ

 痛い

 あまりに忘れすぎる現在が

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