さて、生きている
頭には靄
胸には痛み
記憶に由来する咎
存在が苦になると
欲望は自己消滅に向かう
欲しいものはなにもない
未来が欲しくないのだから
さて、生きている
その自己欺瞞
欲しくても生きられなかった人を
自分は踏みにじっているのか?
でも義務のように
生きる望みを説きたくはない
その嘘に耐えられない
さて、生きている
欲しくはない
踏みにじりたくはない
嘘をつきたくはない
自分の嘘を自分で信じたくはない
頭には靄
胸には痛み
記憶に混じる嘘
生きたすべてが灰になる
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