呪詛と祈り

 人間なんてみんな死ねばいいと

 こころの片隅でいつも願っているのは

 否定できない

 だれひとり死なないでほしいと

 その片隅の隣で願っているのも

 否定できない

 呪詛と祈りが隣り合っているという事実が

 自分の病巣だと理解しているから

 対症療法でだましだまし

 日常を維持しなければならない

 塵ひとつ残さず消えてほしい日常を

 死が見えなくしてくれるその日までは

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る