他人の色

 他人の幸福を喜べない

 他人の不幸も喜べない

 他人の色に

 目が眩む

 無色の他人しか

 許容できない

 こころに動く余裕がない

 動かないこころは腐るだけだ

 でも動けない

 動きたくない

 動くだけで苦痛だ

 もう痛みたくない

 痛みなんてたくさんだ

 痛まないこころなんて吐き気がするが

 痛みの救われなさに

 向き合うことができない

 かつての他人の色彩がよぎって

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