書割

 人生どうでもよくなると

 風景とっても薄くなる

 ハリボテなんだ

 書割なんだ

 人も

 自分も

 なにもかも

 厚みがなくて

 奥行きもなくて

 表面だけで

 どこも同じで

 だれに会おうとか

 どこに行こうとか

 なんにも思わなくなる

 なんにも期待しなくなる

 だから記憶も薄くなる

 薄くなる薄くなる

 ハリボテや書割のことなんて

 昨日のことでも

 思い出せない

 すべて同じことだから

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