この懐かしき鳥籠

 この懐かしき鳥籠

 記憶の柵

 内側から見ると広く

 外側から見ると狭い

 この懐かしき鳥籠

 不在の羽根

 影は朝になり

 午後は苦く

 夜は長い

 束の間の夕暮れは本当に一瞬で

 その一瞬にすべての鳥がいる

 この懐かしき鳥籠が染まる

 懐かしき夕影に染まる

 この懐かしき檻

 懐かしき永遠

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る