祈りの空

 祈ったところで

 どうしようもないことはある


 どうしようもなくても

 祈りたいときはある


 叶わなかった祈りが

 波間に漂う廃棄物のように

 空を汚していたとしても

 想いが無価値なゴミであるなんて

 だれも認めたくはない

 汚れた空は

 ぼくらの遺物

 苦痛の吐瀉物

 時代のガラクタ

 すべて汚い浮遊の産物が

 鳥の気分を害している


 祈りはいつも

 綺麗なわけではない

 透明な祈りを

 背中で笑う影


 こんなに空が汚い日は

 裏切られた祈りもこうべを垂れる

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