音楽の静寂、人の沈黙

 激しい音楽が

 ふと垣間見せる静寂に

 どうしようもなく揺さぶられる

 それは作曲のセオリーにすぎないのか

 パターンに倣ったものだとしても

 そのパターンは

 なぜこころを動かすのか


 言葉により挙動により

 人は四六時中

 自分を語っている

 理解されるにしろされないにしろ

 なにかを求めて

 その饒舌が止んだとき

 死のような裂け目に入り込んだとき

 人があらわす沈黙は

 その人間のなにを語るのだろうか

 声を喪った存在が

 不在によって語る声

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