死体の総数

 いままで食べてきた肉の総数を

 数えたとして

 何頭の動物が

 自分の肉体を養ったのだろう

 桁数もよくわからない

 一日一殺というわけでもない

 その犠牲を人間と考えるとしたら

 まあ考える必要はないけれど

 ちょっとした想像の遊びとして

 たとえば消費優先の生活様態によって富裕国が搾取し足蹴にしてきたどこかの国のどこかの人間の犠牲を食肉にされた動物のようにカウントするとしたら(この考えは差別的なものの見方なのかもしれないが)(どこかの国なんて架空の国は存在しないが)(現実に死ぬのは現実の国の現実の人間だが)

 何人の人間が

 自分のいのちを養ったのだろう

 桁数もよくわからない

 一日一殺というわけでもない

 いつか自分が死んだら

 だれかの糧になるのだろうか

 生きているだけで

 どれだけの死体が足下に埋まっているのだろう

 死体の総数

 数えてみたいな

 死んだ後の暇つぶしに

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