死者は年をとらないのだろうか

 死者は年をとらないのだろうか

 不老不死とは言うけれど

 死による不老も

 乙なものだ

 年上だった死者が

 いつのまにか年下になる

 その違和感

 死は関係を保存する

 年上の死者は年上のままだ

 それが記憶の一面だ

 けれど死者たちも年をとる

 過去が稀薄になることで

 けれど死者たちも若返る

 過去が鮮明になることで

 どちらにせよ痛みは伴った

 思い出すという病に

 生者は罹患して久しいから

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