その想い

 死ぬこと

 自分が死んで

 すべて消えるということ

 記憶も感情も鼓動も呼吸もいつか見た夕暮れもいつか出会ったあの人もいつか夢中になった遊びもいつか流した涙もいつか流れていた音楽も

 すべて消えるということ

 そのことを考えると

 言葉にできないような想いが

 胸に浮かぶ

 寂しさと名づけるしかないような

 淡い水たまりのような想い

 でも

 その想いを感じるために

 生まれてきたような気もする

 かすかな痛みとともに

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