たったひとりの

 ぼくがなによりも知りたいと願ったのは

 たったひとりの人間のこころ

 その人とはもう会えなくなった

 離れてしまった

 無縁になった

 離れてしまった

 それでもいまだに願っている

 他人のこころなんて

 神よりも遠いなにかなのに

 それに触れられたら死んでもいいと

 いまになって

 魂を賭けている

 たったひとりのどうでもいい魂を

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