判断基準

 もうこの人は

 痛みを忘れたんだな

 そんなふうに思って

 新作を追わなくなった作家が

 数多くいる


 本当に忘れたのかは

 わからない

 作品と生活は

 別物だから

 それでもそれが

 自分の判断基準なのだ

 痛みの有無が

 魂がまだ

 残っているかどうかの

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