なにを見ても死にたくなる

 なにを見ても死にたくなる

 それが癖になってしまった

 人間を見ると死にたくなる

 それが当然になってしまった

 独りでいればどうだろう

 残念なことに自分も人間だった

 自分と直面したときが一番死にたかった

 朝の目覚めに死にたくなり

 昼の日常に死にたくなり

 夕暮れの寂しさに死にたくなり

 夜の憂鬱に死にたくなる

 死にたくない時間がない

 眠っているときだけ死にたくない

 眠っているときだけ死に病まない

 死にたがらずに済む方法がわかった

 ずっと眠っていればいい

 生きている時間はすべて眠ればいい

 こんな詩を書きながら眠ってしまった

 いま起きた

 ずっと眠ることにまた失敗してしまった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る