余韻と予感

 いない人に憑かれている

 その人のことしか考えていない

 その記憶には痛みしかない

 常に痛みが鳴り響いている

 それをかき消すために音楽を聴いている

 音楽は痛みを和らげる

 それでもやがて音楽は終わる

 静寂に

 過ぎ去った音楽の余韻と

 ふたたび訪れる痛みの予感

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