電線

 電線が空中で交差して

 蜘蛛の巣のような幾何学を営んでいる

 そこには秘密があった

 祈りの最中にある人間の脳波のような

 個人的な電気信号が

 商店街の頭上をかけめぐっていた

 街の秘密

 都市の意志

 電線はぼくの友達ではないが

 頭上にはぼくの伴侶がいた

 信仰と科学を

 眼のない鳥が仲介していた

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