白む鏡

 鏡が

 息で白む

 魂が

 染むように


 娘を喪ったリア王は

 鏡をよこせとうめいた

 吐息で曇るなら

 娘はまだ生きている


 姿を映すためではなく

 死を確かめるために

 鏡を必要としたのだ


 白んだ鏡を見るかぎり

 ぼくはまだ生きている

 見たくもない自分に

 魂があるかはわからないけど

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