夜は同じではない
同じではない
今夜の眠れない自分は
昨夜の眠れない自分と
同じではない
同じにはなれない
どうあがいても
同じではない
同じではないのだ
夜の色あいがどれだけ似ていても
憂鬱の濃淡がどれだけ重なっても
同じではない
同じではないのだ
どうあがいても
きみは死に向かって麻痺する
鈍い遷移が
眼にとまらないほどかすかでも
同じではない
昨日の喪失と
明日の喪失は
同じではない
同じではない
だからきみは
暗色の夜の矜持にかけてきみは
ひとつひとつの喪失を
顔を奪われた死者のように識別しろ
いたわりをもって
死力をつくして
同じではない夜の消え方を
鮮やかに記憶しろ
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