夢みられた速さ
夢みられたぼくが
夢みるぼくを
眠りから覚める前に
殺そうとしている
成功を祈る
夢みられたぼくよ
速やかに殺してくれ
夢から覚めてしまう前に
眠りがつづいている束の間に
夢は今日も
創り主を守るように
殺害を未然に防いで
ほどけてしまった
それでもいつかは
明日また明日と
夢みられたぼくは
夢みるぼくに忍び寄って
いつかのある日の静かな夜に
待ち望んでいた行為を遂げるはずだ
夢みられたぼくよ
足の速い男の子は
子どもの集団において
その速度だけで人気者だったろう
だから夢みられたぼくよ
もっと速くなれ
もっと速くたどりつけ
韋駄天のように
夢みるぼくを殺せ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます