詩の嫌いな人間にも

 詩という様式は

 自己陶酔の掃き溜めだと

 見なされているようなふしがあり

 あながち間違ってはいないので

 否定しきれないところはあるが

 自己陶酔からも自己憐憫からも糸の切れた

 無重力にたゆたう言葉も

 詩のそこかしこにあるはずだから

 感情に疲れた人間にも

 詩の嫌いな人間にも

 詩を読み詩を書く楽しさはあるはずだと

 傍迷惑な布教をしたくなる

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