わたしではない他人の言うところでは
わたしは内面を剥奪されました
わたしではない他人の言うところでは
わたしはなにも感じずなにも考えないそうです
わたしは揺れる葦よりも無感情だそうです
わたしはひとりのときでも仮面をつけているそうです
そして仮面の後ろは空っぽだそうです
わたしの言葉は言葉の真似だそうです
わたしは生まれてからいちどもこころから笑ったことがないそうです
わたしではない他人の言うところでは
わたしは人間の外面は模倣できても
わたしではない他人のような優しい魂は持たないそうです
優しい魂を持っているらしいわたしではない他人は
優しい魂を持たないわたしを見ながらそう断言しました
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