いつか無痛になったなら

 この痛みの所在はどこなのか

 痛いのは胸だ

 それはたしかに

 まごうことなく

 この痛みの由来はなんなのか

 あの人の喪失だ

 それはたしかに

 まごうことなく


 わからないのは

 この痛みが消える日が

 いつか来ることがあるのかどうかだ

 死ぬ以外に

 痛まずに済む方途が見出だせない

 死ななくて

 痛まなくて

 生きおおせたとして

 それは本当に生きているのか

 生きているといえるのか

 無痛の亡者には

 こんなことをまくしたてても

 一語も理解できないだろうけれど

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