手相

 てのひら

 運命の設計図

 象徴としての

 予言する線条

 ジャクソン・ポロックの贋作めいた

 拙いアクション・ペインティング

 おもしろいな

 人間はなんにでも

 意味を見出だしてしまう

 蜘蛛の巣のように端整な幾何学は

 ここではどうやらお呼びではないらしい

 運命の読み方には疎いので

 気ままに走る線を

 自分勝手に読み解こう

 水平にのびる線は

 日の没する地平線を模して

 深まる衰亡を告げている

 弧を描く線は

 月の輪郭をなぞろうとして

 満ちることのない夢を孕んでいる

 ひときわくっきりと刻まれた

 中心にある十字線は

 神性への片想いのあらわれ

 握りつぶされるたびによみがえる十字架

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