神に洗脳されたぼくは
神に洗脳されたぼくは
人間の生涯など塵にも等しいという
小さな魂すら世界すべてに
脳をごちゃまぜに
神に洗脳されたぼくは
こころの底ではだれも信じていない
神すらも信じていない
優しさを第一義とする戒律だけを信じる
魂の柔らかな
神に洗脳されたぼくは
神を信じなくても神に含まれていることを知っている
不遜なまでに空気に満たされた聖霊を感じている
神に洗脳されたぼくは
宗教じみた物言いの腐臭と狂気をおそれない
信と不信の境い目を踏み越えることをおそれない
自らの生と言葉と信仰の無意味さをおそれない
神に洗脳されたぼくは
臆面もなく科学的に神を否定する
死を直視できない哀しい人間精神の生み出した虚妄だと断ずる
神に洗脳されたぼくは
どれだけの不信と否定を束にしても
ぼくからは神を奪えないと
ぼく自身にすら頑迷な啖呵を切る
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