日曜日のデパート

 日曜日のデパート

 休日の昼下がり

 親子連れの賑わいに囲まれて

 孤独を湛えた残像が

 うらうらと泣いていた


 なにがそんなに哀しいのか

 なにをそんなに嘆いているのか

 ぼくの未来のような

 ぼくの影のような

 そのみすぼらしい残像は

 群集の明るい華やぎに囲まれて

 うらうらと泣いていた


 眩しさに堪えきれず泣いているのか

 光に触れられない自らを悼んでいるのか

 明るさを疑うことしかできないから

 笑顔に裏貼りされた残酷さしか信じられないから

 裏切りを嗅ぎまわることでしか自分を守れなかったから

 だからそんなにも孤独なのか

 だからそんなにも侘しいのか


 日曜日のデパート

 休日の昼下がり

 ありふれた幸福に囲まれて

 陰気な面立ちの残像が

 ただただうらうらと泣いていた

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