自分の詩を眺めて

 自分の書いた詩をつらつら眺めていると

 いくつかのパターンにすぐに気がつく

 大雑把に分類するなら

 ぼくの詩は

 未練たらしい恋情の詩と

 愚痴っぽい希死念慮の詩と

 詩についての愚にもつかない考えを述べた詩と

 敬虔さのかけらもない信仰を述べた詩と

 風景への幼稚な憧れめいた詩と

 しょうもない小話みたいな詩と

 どうでもいいような記憶の詩と

 まあ

 そんなところになるだろうか

 空疎でなにもない自分でも

 毎日のように詩を書いていたら

 固有のテーマが回帰するみたいだ

 作風といえるほど立派ではないにしろ

 塵にもいささかの執着は宿るのかと

 内心驚いてしまう

 ああそうだ

 ひとつ傾向を書き漏らした

 どうあがいても逃れられない

 しつこいまでの自虐癖

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る