自分よりも気になる風景

 人が遠い

 自分も遠い

 自分からさえも置いていかれたぼくは

 だれなんだろう

 なんなのだろう


 曲がり角の向こうへ自分の後ろ姿が消えていく

 追いかけていた足が止まる

 いま追いつかなければもう二度と自分を見つけることは出来ないのに

 自分を見失う心配は放っておいて

 路上の敷石のパターンに魅了される

 ひさしにくつろぐ鳥たちが気にかかる

 信号機の点滅の間隔を計りたくなる

 人には言えないそんな間抜けさで

 ぼくは自分を見失った

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