ピエロが怖い
ピエロが怖い
ピエロの笑顔には殺意しか感じない
だからといって笑わなくても
ピエロの真顔はもっと怖い
コルロフォビア、つまりはピエロ恐怖症
子どもの頃から恐ろしい
夜の街をピエロに追いまわされる悪夢を何度も見た
一度も追いつかれはしなかったので
起きてから胸を撫で下ろしていたけど
いまとなっては
追いつかれたらどうなっていたかに興味がある
街灯に照らされた夜道を疾走するピエロ
チェシャ猫のごとく笑いだけが浮かんでいるようなピエロ
金属バットを持っていたりナイフを持っていたり
時により手にしている
追いつかれていたら
どう使うつもりだったのだろう
ああわくわくする
ピエロが怖い
ピエロが怖すぎて
ピエロになりたい
ピエロに追いつかれたい
ピエロに
またあの懐かしい悪夢を見ることはできないだろうか
いまならばきっと
嬉々としてピエロにかけよるだろうな
なぜピエロはあんなにも殺気に満ちているのだろう
個人的には
それは遊びの狂気じゃないかと思っている
遊びというのは狂気を
遊んでいる人間はみな少なからず狂っているものだから
存在理由に遊びの童心を孕んでいるピエロだからこそ
息を飲むほどの狂気を獲得できるのだと思う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます