廃都の廃人

 廃墟はいきょの建ち並ぶ廃都はいと廃道はいどう

 こころを廃したぼくひとり

 天体はすたれて

 月も星もない廃空はいぞら

 人声は廃れて

 静寂しか音のない廃小路はいこうじ

 水はまだ流れている

 雲はまだ流れている

 そよ風のたゆたう廃都の廃道に

 こころを廃したぼくひとり

 廃詩はいしを小声で口ずさみながら

 廃れた夢を見つづける

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る