透明な約束

 詩を読ませてくれ

 魂を奥底から震わせる

 世界でもっとも力強い言葉を


 詩を読ませてくれ

 心の痛みを生涯慈しむような

 世界でもっとも優しい言葉を


 でもぼくの魂をだれも知らないし

 ぼくさえもわからない

 でもぼくの心をだれも知らないし

 ぼくさえもわからない


 それならば自分で書こうじゃないか

 魂と心に問いかけながら

 言葉をひとつひとつ手探りして

 みっともない失敗を繰り返しながら

 他人からは戯言と言われ

 稚拙と罵倒され

 ついに誰からも読まれなくとも

 いまだこの世に存在しない

 ぼくが死ぬほどに恋い焦がれる言葉を

 この世界に生み出してみせようじゃないか


 これはぼくが

 ぼくの魂と心に誓ったこと

 世界とは関わりのない透明な約束

 詩人なら

 誰もがいつかは交わした約束

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