開かずの間

 その扉を開けないでくれ

 見たくもないガラクタが

 詰めこまれているだけだから


 その扉を開けないでくれ

 鍵をかけさせたのはぼくではなく

 殺意を持った世界の方だから


 開けるな

 開けるな

 開けるな


 必死にひきとめるぼくを振り払って

 ぼくがその扉をこじ開けると

 幼いころのぼくが

 たったひとり

 餓死寸前の痩せこけた体躯たいくで遊んでいた

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